全セの広島鈴木が2年連続の球宴弾を放った。大量リードの4回、全パ4番手二木から139メートルの特大ソロを左翼スタンドにたたき込んだ。本塁打狙いを公言し、徹底的に楽しもうと決めていた。「何とか打てて良かった。ファンの皆さんもホームランを望んでいたと思う」。普段はチームプレーに徹し、求道者のように1打席1打席に向かうが、この日ばかりは豪快に振り回した。

昨年の第1戦でも予告通りに西武菊池(現マリナーズ)から球宴1号を放ち、敢闘選手賞に選ばれている。直球を京セラドーム大阪のバックスクリーン右へたたき込んだが、対戦したい投手に菊池を挙げ「速い真っすぐを狙っていきたい」と話していた。

前哨戦も鈴木が主役だった。本塁打競争で初優勝。西武森、DeNA筒香を下し決勝進出。最後はオリックス吉田正を5本対3本で破った。4本目で勝ちが決まったが「おまけの5本目」を放ってようやく気づき、賞金100万円をゲット。打球速度の平均を競う「日産ノート e-POWER賞」も165キロで1位になり「カープには(測定装置が)ついてないからどれだけすごいか分かりません」と話した。

後半戦の巻き返しへ弾みをつけた。チームは11連敗中で4位と苦しんでいる。つかの間のエンジョイベースボールを経てまた、厳しい戦いに臨む。【村野森】