第43回日米大学野球選手権が16日、松山市の坊っちゃんスタジアムで開幕し、日本が3-0で勝利した。今秋ドラフト1位候補の明大・森下暢仁投手(4年=大分商)が先発して5回2安打無失点、9三振を奪う好投を見せた。日本を白星スタートに導き、将来のMLBドラフト1巡目候補を擁する米国を脱帽させた。

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森下暢の威力ある直球に、鋭く落ちる変化球に、バットが次々と空を切った。「初戦の入り方が大事だと思ってマウンドに入りました。日の丸を背負っている以上、結果を残していかないといけないと思います」。3回、5回はともに2死から安打を許したが、最後は空振り三振に仕留め、流れを1度も渡さなかった。

5回2安打無失点、毎回の9奪三振。ほぼ完璧な投球に米国ダン・マクドネル監督は「両サイドに良くボールを投げ分けて、スピードの変化もついていた。脱帽しています。真っすぐが良かったよ」とお手上げの様子だった。

米国4番はスペンサー・トルケルソン内野手。将来のMLBドラフト1巡目候補として注目される逸材だ。2回の第1打席、森下暢はカーブで左飛に打ち取った。4回の第2打席では四球を与えたものの、5球目でこの日最速151キロを計測。日本のエースとして気迫を見せた。

試合は計5投手でつなぎ無失点リレー。生田勉監督(52)は、森下暢について「まだまだ6、7回と完投できると思うけど、余力を残しておきたかった」。チームの目標は「5試合全部に勝つこと」。最高の形でスタートを切った。【磯綾乃】

▽ソフトバンク永井編成育成本部長 全日本大学選手権の時からどんどん状態が上がっている。経験値はアマ野球選手でトップだし、プロに入っても順応しやすいと思う。