阪神原口文仁捕手(27)が、ネバーギブアップを誓った。6月度の「スカパー!サヨナラ賞」が19日に発表され、セ・リーグからは原口が初めて選ばれた。大腸がんの手術から6月に復帰して9日の交流戦日本ハム戦(甲子園)の9回に代打で適時打。甲子園で会見した原口はファンに感謝し、ペナント争いへ「まだまだあきらめる時期でもないし、試合数でもない」と巻き返しを約束した。パ・リーグはロッテ鈴木大地内野手(29)が初受賞した。

   ◇   ◇   ◇

また1つ、その功績が評価された。最も印象に残るサヨナラ打を放った打者を表彰する「スカパー!サヨナラ賞」を原口が初受賞。「すごくうれしい気持ちと、今後に向けてすごくモチベーションの上がる賞をいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです」。その喜びを前進への力にする。

「まだまだあきらめる時期でもないし、試合数でもない。順位もゲーム差もまだまだどうにでもなると思う。(巨人とは)少しゲーム差開いてますけど、1試合1試合、目の前の試合に勝っていくことが先につながっていくと思ってるんで。日々、勝利目指して、どんな場面でも最後まであきらめないことが勝ちにつながっていくように。そういう姿勢がファンの人にも届くと思う」。会見を通じて熱い思いをファンに伝えた。

大腸がんとの闘いの日々を経て、1軍復帰5試合目となった6月9日の日本ハム戦。3-3の9回2死二、三塁から代打で秋吉からサヨナラ打を放った。甲子園は熱狂。原口を涙ながらに抱きしめる矢野監督の姿も、観客の記憶に深く刻まれる一戦になった。

球宴ではただ1人、全2試合で御礼弾を放った。プレーの1つ1つが、原口の無限の可能性を証明する。「いい流れが来ているので、この流れの中で何とか結果を継続して残して、チームの勝利に少しでも貢献できるようにやっていきたい」と全力で結果を求める。

「5番一塁」で先発予定だったヤクルト戦が中止決定後、室内練習場で打ち込んだ。「まだまだ頑張ります」と努力を続ける。不屈の男が、ネバーギブアップを誓う。6連敗の苦境も、脱してみせる。【堀まどか】