あとアウト3つで完全試合を食らうところだった。ソフトバンクが楽天美馬に封じ込まれ今季初の5連敗を喫した。

試合後、工藤監督は怒りを隠さなかった。「こういう展開にしてはいけない。ファンの方に申し訳ない。(美馬は)普段と変わらないと思う。出ている選手は一生懸命やっている。狙い球などをしっかりとアドバイス、指示するのもベンチの仕事。明日からは徹底してやらせる」と、首脳陣が打線に的確な指示を出せなかったことが敗因をはっきりと口にした。

この日からグラシアルを欠く打線、デスパイネを左翼に守らせ、指名打者に長谷川勇を起用したが、8回まで走者1人も出せなかった。大記録を期待した楽天生命パークのスタンドから地鳴りのような声援が送られる中、最後に意地を見せた。9回無死、先頭明石が四球を選び、完全試合を阻止、続く代打栗原が初球を左前へしぶとく安打を放ちノーヒットノーランも阻止すると、上林が右越え三塁打で16日日本ハム戦の1回以来26イニングぶりに得点を記録した。5連敗は工藤政権でV逸した16年に6連敗して以来3年ぶり。2位日本ハムとは3ゲーム差に縮まった。工藤監督は「(この敗戦が)いいきっかけになってチームが変わっていかないと」と、連敗脱出への薬とする。【石橋隆雄】