日本ハム先発の加藤貴之投手(27)が5回0封で、5勝目を挙げた。

力の抜けたフォームから繰り出す130キロ後半の直球にフォークなどの変化球を交え、ロッテ打線を翻弄(ほんろう)。三塁を踏ませず、わずか1安打に抑えた。お立ち台では「(リーグトップ10勝の)有原が良い投球をしていたので、自分も良い投球をしないとと思った。野手の良いプレーがありましたし、中継ぎの人には負担になっていますが、チームメートに感謝です」。自らの勝利そっちのけで、頭を下げ続けた。

今季はチーム初の試み「ショートスターター」を任されるなど、適所で力を発揮してきた。先発投手が打者一巡を目安とした短いイニングを投げ、第2先発から継投で試合をつくる投手起用法は、コンディショニング調整が重要。今回は球宴期間を挟み、登板間隔は中11日と空いたが「状態によってメニューを組んでくれる。1番大変じゃないかな」とトレーナーをおもんばかる。時には自らコンディショニングメニューを考え、こなしてきた。

栗山監督は「素晴らしい。(試合の)入りから、加藤らしさを出してくれた」と称賛。チームは、首位ソフトバンク戦から続く連勝を「4」に伸ばした。首位の背中も見えてくる3ゲーム差。加藤は「良い状態にある。自分も乗るっていうか、うまくやっていきたい」と勢いを力にしていく。【田中彩友美】