阪神西勇輝投手(28)が待望の4勝目を挙げた。気持ちのこもった投球で7回4安打2失点。5月10日中日戦(甲子園)以来9試合、約2カ月ぶりの白星だ。

初回2死一塁。4番村上から3つ目の三振を奪うと、グラブをたたいて小さく叫んだ。「自分の後半戦の初戦なので」。6回1死三塁では、マルテの本塁送球を避けようとして転倒。7回直前に治療のため1度ベンチに下がるも、志願しすぐマウンドに戻った。5回2死一塁の打席では右前打を放ち、近本の逆転3ランをお膳立て。投打に気迫があふれた。

「気持ちが違いますね。勝ちがつかなくて、負けもつかないと、次の日どうやって過ごしていいのか分からない。自分もそうですし、チームも乗っていけるんじゃないかと思います」。チームの連勝も呼ぶ最高の白星。矢野監督も「西に勝ちがついて本当に良かった」と胸をなで下ろした。

この日は「虎フェス♪」イベントデーで、選手は90年代の名曲を登場曲に使用。西は登板時に久保田利伸 with NAOMI CAMPBELLの「LA・LA・LA LOVESONG」、打席時にエレファントカシマシの「今宵の月のように」をチョイスした。登板日の練習には必ず流すほど、Mr.Children好きな右腕も「意外に良かったので、検討したいと思います。ラブソングが合うとは思わなかった」と新たな発見に笑顔。チーム愛にあふれる男は、笑顔で腕を振り続ける。【磯綾乃】

▽阪神福原投手コーチ(西について)「いいリズムで投げてくれたと思います」