阪神が延長12回の死闘の末に、DeNA戦を引き分けた。

鳥谷敬内野手(38)が「7番遊撃」で100日ぶりに先発出場。福留孝介外野手(42)も両ふくらはぎ痛から1軍に復帰した。投手陣がリードを守れなかったが、ベテランコンビがともにマルチ安打を記録し、チームに活気を与えた。

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投手陣がリードを守れず、勝ちきれなかった。延長12回裏の攻撃は3者凡退で、2位DeNAとの死闘は引き分けに終わった。疲れの残るドローだが、今後に楽しみを残す内容でもあった。

黄色に染まった甲子園で虎のアラフォーコンビが燃え上がった。5回1死一塁の場面。7番鳥谷がDeNA上茶谷の141キロ直球をとらえた。打球が右前に抜ける間に、一塁走者の福留が激走。一気に三塁を陥れた。梅野の先制スクイズをお膳立てした。

5番・福留、7番・鳥谷-。試合前の先発メンバー発表に甲子園がドッと沸いた。鳥谷は4月14日中日戦(甲子園)以来となる100日ぶりの先発出場。両ふくらはぎ痛で2軍調整中だった福留は、この日1軍に合流し即スタメン起用。6月20日楽天戦(甲子園)以来、33日ぶりの1軍戦出場となった。

この日から甲子園では恒例の夏イベント「ウル虎の夏2019」が開催。実に100日ぶりとなる虎の名球会コンビそろい踏みに、4万4000人超の観客が大盛り上がりになった。

ベテランの存在感は際立った。2回には先頭中井の二遊間への痛烈な当たりを、鳥谷が飛びつきキャッチ。ベンチの矢野も思わず笑顔で拍手した。福留は2回の第1打席目にさっそく右前打。5回は一塁への痛烈な打球で相手失策を誘って出塁し、先制の好機をつくった。8回には遊撃内野安打で復帰すぐさまマルチ安打を記録した。

矢野監督は「孝介の勝負強さは欠かせない」と福留の復帰を心待ちにしてきた。鳥谷についても「タイガースの歴代の中で1番ヒット打ってる」と話し、「もちろんトリ自身もこのまま終わっていい、と思っているわけないと思うから」とその力を必要であると力説してきた。新外国人のヤンハービス・ソラーテ内野手(32=マーリンズ傘下)がチームに合流。ベテランの躍動に新戦力。チームに明るい材料が一気に増えた。