広島クリス・ジョンソン投手(34)が、16年5月24日巨人戦以来3年ぶりの完封で、チームを5連勝に導いた。最後の打者ビシエドを右飛に仕留めると、ゆっくりと捕手石原に歩み寄ってハグ。許した安打はわずかに1。

「石原がいい組み立てをしてくれた。西川がしっかり点を取ってくれた」。ヒーローインタビューで喜びをかみしめた。

唯一といっていいピンチで踏みとどまった。6回。三塁安部の連続失策で無死一、二塁。一瞬表情をこわばらせたが、ベンチを飛びだした佐々岡投手コーチになだめられ、落ち着きを取り戻す。送りバントの後、3番大島を見逃し三振。4番ビシエドを右飛。駆け寄って謝罪する安部の尻をポンとたたき、悠然とベンチに戻った。イライラを表に出す悪癖を封印した。

8回終了時で108球。ベンチで佐々岡投手コーチに続投を志願した。今季最多120球の熱投。ナイターは7戦して0勝5敗だったが「ただの偶然。そのうち勝ちは増えると思う」と話した。打っては7回に左前打を放って鼓舞した。緒方監督から「ジョンソンに尽きるでしょう。これ以上のピッチングはないでしょう」と絶賛された。

ベンチ裏で幼い愛娘を抱き上げ、温和なパパの顔に戻った。マスコットのスラィリーと記念撮影しているときに泣きだすと、そのスラィリーとコンビを組んで必死にあやした。チームは5戦連続で自力V消滅を回避。勝率5割復帰まで1勝。娘もチームも守る左腕は「1位に返り咲きたい」と言い切った。【村野森】

▽広島佐々岡投手コーチ (6回無死一、二塁は連続失策の)安部をしっかりカバーしてくれた。落ち着いて1人1人投げ切ってくれた。あそこが大きかった。

▽広島石原(ジョンソンについて) 連勝していたチームの勢いそのままに投球してくれた。走者を出した場面でも冷静に投げてくれた。

▽中日大島(ジョンソンに3打数無安打) (6回に見逃し三振)打てないボールは打てない。

▽中日ビシエド(ジョンソンに4打数無安打) 相手がとても良かった。

▽中日阿部(ジョンソンに3打数2三振) 球が全部良かった。コントロールも良かった。