先発マウンドを託された阪神岩田稔投手(35)が、今季最短の2回8安打7失点(自責5)で降板した。

前回登板した7月28日の巨人戦(東京ドーム)は初回に満塁本塁打を浴びるなど7失点し、3回9失点で今季3敗目を喫していた。「前回は前回。次の相手にしっかりチームが勝てるように投げるだけ」と気合を入れて臨んだマウンドだったが、思うような結果を残せなかった。

前回登板で試合を壊してしまったが、相性の良さを評価されての先発マウンドだった。今季の広島戦は3試合で1勝1敗、防御率1・93。汚名返上の快投で、大量失点の悔しさを振り払いたかった。だが現実は甘くなかった。

不運もあった。初回1死一、二塁。4番鈴木が放ったショートへの当たりは高くはね、遊撃の糸原の頭上を越えた。先制点を許し、その後6番メヒアに3ランを浴びた。

楽しみなマウンドだった。午後8時まで気温30度以上が観測された2日。選手たちが口々に「暑い…」と話す中、マツダスタジアムに足を踏み入れた岩田は「良い天気やなぁ」と口にしていた。これまでにも「僕は(マウンドは)暑い方がいい」と話し、好投が期待されたが、結果を出すことができなかった。

前日3日は西が6回1失点の好投。11試合ぶりに先発に勝ちがついた。5日の移動日をはさみ、6日のヤクルト戦(神宮)からは真夏の9連戦が始まる。先発の頑張りが必要な時期だけに、悔しいマウンドになった。【真柴健】