高まった反撃ムードは一瞬で静まった。3点ビハインドを追いついた直後の8回。ソフトバンクのセットアッパー甲斐野央投手(22)が1死からロッテ鈴木に右前打され、続くレアードにこの日2発目となる決勝2ランを許した。前日のサヨナラ負けに続き、終盤の本塁打決着。前カードの日本ハム戦から3連敗となったが、2位日本ハムもこの日敗れて2・5差はキープした。

4敗目の甲斐野は「投げちゃいけないところに投げてしまった。申し訳ないです。明日もやり返せるチャンスを作ってもらえると思うので、切り替えてやりたい」と前を向き言った。

ついに、今季の対ロッテ戦負け越しが目前に迫った。この日の黒星で5勝12敗となり、8日も敗れれば13年以来の負け越しが決まる。この日はレアードのV弾だけではなく、初回にマーティンのソロ、4回にレアードの2ランと1発攻勢にあった。今季17試合目で、ロッテ戦の被弾は対11球団最多の29本。大砲の加入やZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンが設置され、長打力アップが脅威になっている。

工藤監督は気落ちすることなく、声を張った。「結果的にホームランになっているけど、みんな打たれようと思っているわけじゃない」。3点差を追いついた8回の攻撃に触れ「いい粘りができた。最後まであきらめないことが同点につながった。勝ちパターンの投手を打てたのもプラス材料」と敗戦の中に希望を持った。所沢、札幌と続いた長い遠征は8日で一区切り。「明日は全員で力を合わせて。勝って気持ちよく帰りましょう」。一丸で負の流れを食い止める。【山本大地】

▽ソフトバンク・デスパイネ(反撃の口火となる8回の右前適時打に)「打ったのはストレート。何とかつないでいこうという気持ちだった。積極的にいったことがいい結果になった」