DeNAアレックス・ラミレス監督(44)は、ドラフト2位ルーキー伊藤裕季也内野手の大いなる可能性を確信していた。試合後「迷いはなかった。誰が見ても、5番は彼しかいなかった」と大きくうなずいた。

伊藤裕はここまでイースタン・リーグで82試合に出場。11本塁打をマークする一方で、打率は2割3分1厘と低迷していた。それでも「彼はスラッガー。三振か、ホームラン」と1発の魅力にかけた。宮崎の骨折離脱を受け、8日の広島戦(マツダスタジアム)から1軍に初昇格させた。

キャンプ中から「ルーキーなのに堂々としている。ああいうタイプの選手が僕は好きなんだ」と注視。「ハードなスイングをして、当たれば飛ぶ」と将来性も高く評価していた。9日に代打で起用すると3打数2安打。2本とも二塁打で、ともに得点に絡んだ。「昨日、初ヒットを打って、いいフィーリングを感じていた」とスタメン起用を決断した。

筒香を5年ぶりに「三塁」で起用し、続けざまにルーキーを「5番」で送り出した。首位争いの胸突き八丁で2日連続のサプライズオーダーがズバリと的中し、中日相手に2連勝を飾った。指揮官は勝利の立役者を「我々の期待以上の活躍をしてくれた。昨日『ホームランを打つよ』と言っていたけど、本当に打った。正直に驚いている」と評価した。迷ったら前。ここぞで繰り出す果断な采配がノリに乗っている。【栗田尚樹】