マルっと先制のホームを陥れた。巨人丸佳浩外野手(30)が、砂ぼこりを上げて本塁へ滑り込んだ。

1回2死一、三塁。一走の岡本の動きに注視した。打者大城の3球目だ。スタートを切った岡本に反応した中日の捕手加藤が二塁へ送球。岡本がベース手前で遊撃手堂上を引きつけている間に、三走の丸が鮮やかなスライディングで本塁を陥れた。貴重な追加点も「もう少しスタートが良ければ確実にセーフだった」と間一髪での生還に反省点を見いだした。

ミニスランプからもマルっと決別した。好走塁の直前の1回1死二塁、先制機での打席。初球、高めに浮いた143キロを中前に弾ませた。決勝打は8月12日広島戦以来、6試合24打席ぶりの安打。「ヒットが出てる、出ていないは関係なく、チャンスだったので積極的にいった。点につながって良かった」と淡々と振り返った。

安打からやや遠ざかっても試合前の練習に大きな変化はない。培ってきた技術はそう簡単には揺るがない。試合開始から5分で先制点をもたらし、11分で追加点をもぎ取った。2回以降チームの安打が止まるも、9回に再び中前打で出塁。今季最少で15年以来4年ぶりとなる3安打での勝利で、唯一のマルチ安打をマークも「今日は投手に助けてもらった。攻撃陣は苦しかった」と話した。

前日19日の名古屋入り前に原監督は、すっぽん料理を丸々、堪能して暑気払いを敢行。すっぽんの鍋、から揚げに加え、生き血をゴクリと飲み干した。今季6度目の5連勝。残暑を乗り切った先にいよいよ「歓喜の秋」が迫ってきた。【為田聡史】

▽巨人原監督(3安打の勝利に)「戦っている上においてはあまり感じないんですけど、よく勝てたなという感じはしますね。好投手はそうそうチャンスはない。そういう意味では思い切って2点目いけたというのは大きかったでしょうね」

▽巨人メルセデス(6回途中1失点で8勝目)「体力的にはまだまだいけたので、もう少しいいテンポで投げたかった」

▽巨人増田大(2回1死一塁、メルセデスの犠打で一塁から三塁を陥れ)「行けたら行こうと思っていた。足でプレッシャーをかけていきたい」