福留だけではない。この日は3本塁打も飛び出し、痛快な連敗脱出となった。その中心に4番、ジェフリー・マルテ内野手(28)の豪快弾があった。

約1カ月ぶりの待望弾は5点リードの7回に出た。2死一塁で主砲がダメを押した。4番手笠井の高めの変化球を振り抜いた打球は、左翼スタンドに届く11号2ラン。8月7日ヤクルト戦(神宮)以来の1発は、4番9試合目での初アーチ。「自分の2打点も大きかったし、チームも勝てて大きかった」と会心だ。

前日19日には新加入のソラーテが成績不振で2軍落ち。「ソラマル」コンビはわずか1カ月で解体となった。新加入の相方と行動を共にし、チームを明るく盛り上げてきた。ソラーテが三振を喫してイニングを終えると、マルテが帽子とグラブを持って相方の元へ向かうなど、互いにサポートし合って戦ってきた。相方ソラーテの無念を晴らすような快音だった。

18日の巨人戦(東京ドーム)では、試合中に左胸を痛めて途中交代。状態が心配されたが変わらず4番先発に名を連ね、2安打2打点で勝利を呼び込んだ。患部の状態は「大丈夫。これから試合が続くので、100%に近い状態でやっていきたい」と力強く話した。

3連敗した巨人戦で合計6得点に終わった打線は、福留やマルテに乗せられるように1試合で8得点と元気になった。6回には糸原が2号ソロ、8回には梅野が8号ソロを放って今季5度目の1試合3発だ。矢野監督は「チームが乗っていくには、みんなが打っていくとムードも上がってくる。ホームランも出たりヒットも出たりという形で勝てたので大きい」とたたえた。ソラーテもナバーロも2軍で、助っ人野手は1人になり、しかも4番だ。逆転CSへ責任感を増す助っ人砲が、バットでチームを引っ張る。【奥田隼人】