ソフトバンク柳田悠岐外野手(30)が左膝裏肉離れからの復帰後8打席目で本塁打を放った。

4月7日ロッテ戦以来、137日ぶりの今季5号がダメ押しとなり、復帰2戦目で待望の勝利をつかんだ。

苦しんだ分だけ喜びは何倍にもなった。2点リードの7回1死。柳田らしい大飛球が左翼席まで届いた。「気持ちいい。やばい」。久々の感触、久々のハイタッチ、久々の「最高!」ポーズに表情が緩んだ。プロ入り後初めて2番に座った前日に続き、この日も同じ打順で先発したが、指名打者ではなく中堅の守備にも就いた。「昨日ボロ負けだったでしょ。助かりました」。涙した2軍復帰戦とは違い、これでもかというほど笑みがはじけた。

4カ月半に及ぶ長い時間。積極的には野球を見なかった。無理もない。朝からリハビリに励み、3歳の娘と夜9時には布団に入る生活だ。もちろん、悪いことばかりではなかった。「子どもと遊んだり、映画やドラマもいっぱい見た。人間の感情を取り戻しました」。野球ができなくても、普段どおりに過ごしてくれる家族が支えになった。

「脂肪っすよ」。本人はケラケラ笑うが、故障前より大きくなった体に工藤監督も目を見張った。バットやボールを触れなかった頃は、ひたすら上半身を鍛えた。「しんどい練習もしてきたんで、自信を持っていきたい」。前に進めない時期もあったが、ただ立ち止まっていたわけではなかった。

2位西武が敗れ、23日にも優勝マジック21が点灯する可能性がある。柳田は休んだ分も打って、もっと笑うつもりだ。【山本大地】