来日中の元近鉄ラルフ・ブライアント氏(58)が、あの伝説の「10・19」の舞台だった旧川崎球場に帰ってきた。現在は富士通スタジアムとなった球場内で24日、ファンと交流イベントを行い、元ロッテ牛島和彦氏(58)、元近鉄の中根仁氏(52)を交えたトークショーで当時の思い出を語った。

「10・19」とは、88年シーズンの残り2試合を勝てば優勝という近鉄が、10月19日に行ったロッテとのダブルヘッダー。当時、大きな注目を集め名勝負が繰り広げられた。ブライアント氏は「第1戦を勝って、次もとにかく勝つしかないと言い合い、第2戦に臨んだ」と回想。結局、2戦目を引き分けて優勝を逃し「帰りのバスで、みんな悲しみに暮れていた」と振り返った。近鉄の優勝を阻止した牛島氏は「試合前に、自分たちは何をすべきかミーティングを開いた。プロとして恥ずかしくないプレーをしようと話し合った」と秘話を明かした。

ブライアント氏は、89年10月12日の西武とのダブルヘッダーで放った4打席連続本塁打も振り返り「あのうち1本は、渡辺久信から打った唯一のホームランだったからうれしかった。最高の瞬間だった」と話した。