日本ハムが日没コールドで乱打戦を落とした。西武23回戦(釧路)は8-10の8回表西武攻撃中に審判団が協議、試合続行が不可能と決定し、打ち切りを命じた。日没コールドは99年6月20日オリックス-近鉄戦(札幌円山)以来20年ぶり、21世紀初の珍事。先行されても追いつき、一時逆転もしたシーソーゲームを思わぬ形で勝ちきれず、チームは釧路で2連敗を喫した。

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日本ハムが照明のない釧路で、突然の“サヨナラ本塁打”を浴びた。8回表、西武森に18号ソロを打たれた直後だった。責任審判の森球審がマイクを持ち、場内へ「本試合をコールドゲームといたします。日没コールドゲームといたします」と宣言。午後4時21分、試合は終了。あと2イニングの攻撃を残し、逆転も十分可能な2点ビハインドの状況で、非情の幕切れが宣告された。

試合開始から雨が断続的に降り、球場は回が進むごとに暗さを増していった。6回に1点差に迫る5号ソロを放った西川は、試合中に球団を通して「暗くて、見づらかったです。真っ黒なボールを打ちました」とコメントしていた。森の中堅右に飛び込んだ本塁打も、打球に反応できていなかった。「(打球が)上がりきって、近づいてきたら見えた。打った時は見えなかった」と証言した。

6回が終了すると審判団がマウンド付近で試合続行の可否を協議を始めた。その後も慎重に、協議を重ねて試合を続けていったが、これ以上は引っ張れなかった。森球審は「だいぶ暗くなってきたので。ここが限界かなと。(決め手は)選手の動きも含めた全体像ですね。僕は初めて。(判断は)難しかったです」。審判歴32年目で2000試合以上の出場を果たすベテラン審判員も初めて経験するレアケース。プロ野球でも20年ぶりで21世紀初の珍事は、日本ハムに味方しなかった。

釧路で悔しい2連敗となった栗山監督は「勝つ姿を見せられず、すいません。勝ちきれないということに問題がある。(日没コールドは)審判が決めること」と話した。結末は日没コールドだが、先行を許し、ミスから失点を重ね、粘りきれなかった敗戦でもある。クライマックシリーズ進出へ向け、上位チームに、これ以上負けることはできない。年に1度の道東シリーズは29日の帯広開催を残すのみ。しっかり勝ちきって、悪い流れを断ち切りたい。【木下大輔】