1日でも長く-。3日DeNA戦(横浜)に先発する阪神青柳晃洋投手(25)が、今季限りで阪神のユニホームを脱ぐことになった鳥谷への思いを語った。クライマックスシリーズ(CS)進出に向け、重要な6連戦の初戦を託された右腕は「トリさんは大好きな先輩ですし、尊敬もしているので、1球でも1試合でも長くやりたい」。熱い思いを胸に、2位DeNA、3位広島と続く勝負の1週間へ快投ではずみをつける。

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青柳が鳥谷への思いを赤裸々に語った。「トリさんは大好きな先輩ですし、尊敬もしているので、本当に1球でも1試合でも長くやりたい。CSに行って少しでも長いシーズンにしたいですね。自分のできることを最大限にやっていきたいです」。甲子園で行われた投手指名練習に参加。キャッチボールや短距離ダッシュなどで最終調整を行った右腕は、ゆっくりと言葉を紡いだ。

3日から始まるDeNA、広島との6連戦の初戦を任された。3位広島まで2ゲーム差と迫ったチームにとって、CS圏を争う球団との直接対決は、なによりも大きな意味を持つ。その先陣を切る青柳は、鳥谷から金言を受けたという。

開幕から先発ローテーションを守ってきたが、決して平らな道ではなかった。連続でKOされ、ロッカールームで落ち込んでいたとき「救いの言葉」を差し伸べてくれたのが鳥谷だった。「トリさんに『感情をコントロールできない選手は一流にはなれないぞ』と言われた。そこから感情的になってはいけないなと思いました」。マウンドで黙々と腕を振り、白星を積み上げてきた。自身7勝目がかかる3日DeNA戦も強力打線をねじ伏せてみせる。

矢野監督も「CSから日本シリーズまでいければそれは最高なこと。開幕からトリのことも応援するって言ってスタートして、その気持ちは何も変わってない。これからも変わらない」と言う。残り20試合。虎の逆転CS出場が実現するか。先陣を託された青柳は「いつも通り、最少失点で長いイニングっていうのが目標。チームがCSを目指している中で、自分たちより上のチームなので、絶対に勝てるようにしないといけない」。青柳の躍動が、まずは鍵を握る。【真柴健】