阪神矢野燿大監督(50)がカミナリの鳴り響くハマスタで決意表明した。

今週は2位DeNA、3位広島と続く運命の6連戦だったが、その初戦が落雷のため、中断後にノーゲーム。リーグ優勝が厳しくなった今、指揮官は「ファンからそこを望んでもらっているのは十二分に分かっている」と、クライマックスシリーズ(CS)圏内の3位浮上を初めて明確な目標に挙げた。

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横浜の夜空を稲妻が明るく照らした。異例の雷による試合ストップだった。1回裏。1死の場面で試合が中断した。約7分後に再開したが、マウンドの青柳が2番ソトに1球を投げた時点で再び中断。ごう音が鳴り響くなか、グラウンドに飛び出した佐々木球審の右手が挙がりノーゲームが宣言された。

矢野監督も「雷なんかあんの? 珍しいというか、自分の中で記憶にないけどね」と驚いたが、「どうしようもないじゃん。お客さんの方が危ないよ。俺らは中に入れるからいいけど、ファンの人はスタンドにいるから」と納得するしかない。中止決定直後には激しい雨も降り出した。さあ、逆転CSへ! 意気揚々と乗り込んだ横浜で思わぬ形で足止めを食らった。

ただ、指揮官はプラス思考だ。「逆に言うとまたチーム全員で、中継ぎも総動員でいける5試合になったと捉えることもできる」。試合序盤でノーゲームとなったことでブルペンへの影響は最小限にとどめることも出来た。DeNA、広島と続く5連戦で、12球団トップの救援防御率2・85の中継ぎ陣を思う存分ぶつけることは可能だ。

シーズンは残り20試合。首位巨人を逆転することは現実的に難しい状況だ。だからこそ矢野監督は目標を明確にした。「やっぱり優勝っていうのがなかなか見えなくなってきてる中で、(3位)広島とのゲーム差っていうのは、はっきり見えるところにある。自分らの力で何とかできるところまで、まずは来ることが出来た。そこをみんなで狙っていく気持ちは高まってる。そこを望んでもらってるのは俺らも十二分に分かっている」。虎党から課せられた命題はCS進出。必ずミッションを遂行する。【桝井聡】