負けて、勝った。国学院大が駒大3回戦に勝ち、勝ち点1を挙げた。

今秋からのタイブレーク制導入に伴い、3回戦の先攻か後攻かは試合前のじゃんけんで決定。1部で初のじゃんけんに貞光広登主将(4年=天理)が駒大・石毛孝尚主務(3年=岡山理大付)に敗れ、先攻となった。だが、4回に瀬戸成一郎外野手(2年=鳥取城北)の適時打などで2点を先制し、そのまま逃げ切った。

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「絶対勝ってやる」と意気込んだ貞光の気合は空回りした。試合開始1時間前。自信満々にパーを出したが、チョキに敗れた。が、幸運は残っていた。駒大・石毛主務が選んだのは後攻。延長10回からはタイブレーク制(無死一、二塁の継続打順)。後攻は表の結果を踏まえ、攻め手を選べる。もっとも、貞光は「勝ったら先攻と思ってました」。結果オーライだった。

鳥山泰孝監督(44)の考えだ。「このカードの流れは、先制したチーム(1回戦国学院大、2回戦駒大)が勝っている。タイブレークより、まず9回を戦うことを考えました」。果たして4回1死二塁、瀬戸が右中間へ適時二塁打を放ち先制。高本が左前適時打で続いた。この2点を無失点リレーで守りきった。狙い的中の指揮官は「じゃんけん強いので僕が行こうと思ったら、学生じゃないとダメだと言われました」とおちゃめに勝利をかみしめた。

▽国学院大・瀬戸成一郎外野手(4回にリーグ戦初打点となる先制二塁打)「(4年生の)鎌仲さんが『ここで頑張らなくて、どうする』とやる気をつけてくれて、野球への取り組みが変わりました。周りの方の支えのおかげです」

▽駒大・大倉孝一監督(4安打完封負けで勝ち点を落とし)「(先発の)竹本はよく投げた。相手の立ち上がりをつかまえないと。勝ち点は落としたが、春(最下位)とは違う。次につなげたい」

◆東都の先攻後攻 今春までは1回戦は前季上位チームが先攻。2回戦は入れ替え、3回戦で再び上位チームが先攻と自動的に決まっていた。タイブレーク制では先攻、後攻、どちらが有利かという議論があり得るため、3回戦はじゃんけんで決めることとなった。