イーグルス史上初の30発コンビが誕生した。

楽天浅村栄斗内野手(28)がオリックス戦の9回に30号3ランを放った。32本をマークしている4番ブラッシュに続き、自身2年連続となる大台をクリア。試合を決定付ける1発を含む3安打4打点をマークし、3連敗ストップに貢献した。

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浅村らしく、バックスクリーン右へ豪快な放物線を描いた。「たまたま、いい反応ができました」。オリックスの左腕、山崎福に対し、差し込まれたと錯覚するようなスイングで逆方向に十分な飛距離を出した。

楽天の日本人打者としては、山崎(07年43本、09年39本)以来2人目となる大台30本に乗せた。「ホームランの数はそんなに意識していなかったけど、去年も30本は打っている。FAで来て(昨季に近い数字は)そこ(本塁打)だけですけどね」とプライドものぞかせ、打率2割6分1厘、84打点の数字にもどかしさを隠さない。

昨季まで70個に届いたシーズンがなかった四球が既に87個。後ろに本塁打王の山川が控えるなど、超強力打線の西武時代に比べれば、マークが集中して際どい攻めが増えるのは必然とも言える。それでも「そこ(周りの打者)を比べようとは思わない」。全てを受け止め、1人の打者として高みを目指す覚悟を示す。

8月は打率2割1分6厘と不振にあえいだ。9月も試合前の時点で打率1割7分5厘と苦しんできたが、この日の4打点で今月はブラッシュと並んでチームトップの8打点となった。「いい打席もあれば、悪い打席もある。自分が打つとか(結果)じゃなく、チームが勝てればいい。何とかしたいとみんなが思っている中で、今日は岸さんに勝ちがついて良かった」。大黒柱に3カ月ぶりの白星をプレゼントし、3位ロッテとの1ゲーム差を保った。残り8試合、昨季打点王の意地を見せる。【亀山泰宏】