広島小園海斗内野手(19)が29日、球団高卒新人初のクライマックスシリーズ(CS)出場を信じ、1時間の居残り特打に臨んだ。

マツダスタジアムでの全体練習後、室内に場所を移し打撃フォームの修正に励んだ。広島のCS進出は30日の阪神中日25回戦に懸かっており、阪神が負けるか引き分ける必要がある。同日に予定される紅白戦に臨んだ後、祈るような気持ちで阪神戦の結果を待つ。

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CS出場を信じ、小園がバットを振り込んだ。屋外での全体練習後、室内に場所を移して1時間、ティー打撃に取り組んだ。思い描くのは、球団史上初となる高卒新人のCS出場。「先輩に聞くと、シーズンと違う緊張感があるらしいです。緊張すると思うけど、その中でやりたい」。東出、迎両打撃コーチが見守る中、バットのヘッドが最短の軌道で出るよう、スイングの修正を続けた。

必死だった。CSに進出した場合、ファーストステージで待ち受けるのは今季11勝13敗1分けと負け越している2位DeNA。しかも横浜スタジアムでは、3勝9敗1分けと分が悪い。小園もDeNA戦は打率1割6分2厘と低迷しており、横浜スタジアムでは打率1割5分とさらに苦戦。「ぜんぜんだめでした」と振り返る。先発で使ってもらうため、打撃の調子を少しでも上げておきたかった。

心のリフレッシュは完了していた。27日の試合後、中日根尾と広島市内の焼き肉店で食事をした。高校時代はライバルとしてしのぎを削り、高校ジャパンではチームメート。ともにドラフト1位でプロ入りし、常に注目されるつらさを分かち合える相手だ。つかの間の楽しい時間を過ごし、CSへ向けエネルギーをチャージした。

あとは、待つしかない。広島の順位確定は30日の阪神中日戦次第となった。阪神が負けるか引き分けない限り広島の4位が確定し、CS進出の道が断たれる。小園にとっても、球団の歴史を塗り替えられるかどうかの瀬戸際だ。この日はマツダスタジアムで紅白戦に出場する予定。やきもきする気持ちを抑えながら実戦勘を磨き、夜は甲子園のナイターを見守ることになる。【村野森】