日大国際関係(静岡第1)が、3-0で皇学館大(三重)を破り、決勝へ駒を進めた。先発の臼井健雄投手(3年)が、6回を投げ6四死球も無失点でしのぎ、チームに流れを与えた。決勝戦は21日、草薙球場で行われる。

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日大国際関係の臼井が、粘りの投球を見せた。1、2回は四球などで得点圏に走者を置く苦しい立ち上がり。それでも、コースを突いた投球で得点を許さなかった。「最初はどうなるかと思いましたが、開き直って相手打者に集中しました」。3回以降は味方の好守にも助けられ、6回まで無失点。「野手のみんなに助けられた」と感謝した。

今季リーグ戦は、エースとしてチームの優勝に貢献。だが、終盤戦では四球をきっかけに崩れるなど、精彩を欠いた。1週間前の静岡産大戦後には、石川和樹主将(4年)から叱責(しっせき)を受けることもあったという。その悔しさを糧にしたことが、この日の好投へとつながった。

恵みの雨にも救われた。リーグ最終週に右手の人さし指と中指の爪が割れた影響で、指先に痛みを抱えたまま、この1週間を過ごしていた。先発予定だった19日も痛みは残っていたが、雨天中止。試合が1日延びたことで痛みも引き、本来の力強さが戻った。

「調子が良くて、まだ投げられた」。21日の中部学院大戦でも連投を辞さない覚悟だ。「気持ちは投げるつもり。いつでもいけるよう、しっかりと準備します」。エース右腕の復調で、チームは神宮へ1歩近づいた。【河合萌彦】