城西国際大(千葉県大学1位)が、初の明治神宮大会(11月15日開幕、神宮)出場を決めた。

右腕の舘和弥投手(3年=平塚学園)が140キロ前後の直球と多彩な変化球で丁寧に低めを攻め、白鴎大(関甲新学生1位)をわずか3安打で完封した。

2回戦で創価大(東京新大学2位)の杉山晃基投手(4年=盛岡大付、ヤクルトドラフト3位)ら投手陣を攻略した白鴎大打線に対し「すごい打線という感じがあって、どう抑えるかをとにかく考えていた」。結論は「細かい変化で芯をずらして打たせて取ろう」。テーマ通りにカットボールやツーシームも交えながら、内野ゴロを量産させた。

平塚学園(神奈川)時代は3~4番手投手で、3年夏も背番号は19。公式戦の登板もほとんどなかった。高校でエースになりきれなかった理由を問うと、質問にかぶせるように「妥協です」ときっぱり即答した。大学に入り、技術の向上とともにようやく自覚が出始めたという。

この秋は1人の大学生として、また違った思いも芽生えた。9月上旬、千葉県を中心に大きな被害をもたらした台風15号の上陸。千葉・東金の城西国際大グラウンドも例外ではなく数日間、停電や断水が続いた。移動手段は自転車で、食糧確保にも苦労した。「リーグ戦の期間でもあったので本当に大変でした」。

その後も台風19号など、房総半島を中心に千葉県がこれまでにない被害を受けている。「東金も九十九里の方も、崩れている家があって…。千葉にいいニュースを届けたい、という気持ちもありました」。春は全国8強。心身ともに頼もしくなった3年生右腕を擁し、城西国際大が再び全国の舞台へ進む。【金子真仁】