【台中(台湾)8日】侍ジャパンがリラックス・リターンする。プレミア12の1次ラウンドB組1位通過決定から一夜明け、インターコンチネンタル球場で調整した。稲葉篤紀監督(47)は11日のスーパーラウンド初戦・オーストラリア戦(ZOZOマリン)の先発が有力な山口を本隊より1日早く帰国させ、より良い調整環境を用意した。1次ラウンド全日程が終了。日本は今日9日に帰国し、スーパーラウンドは11日にオーストラリア(C組2位)12日に米国(A組2位)13日にメキシコ(同1位)16日に韓国(C組1位)との対戦が決まった。

稲葉監督が若手選手のように台湾のグラウンドを駆けた。ユニホームのズボンをヒザ下まで引き上げ、ソックスを見せるオールドスタイル。珍しい格好でフリー打撃で外野に飛んできた打球を左右へと追い掛けた。「今日はボールボーイ、守る人がいなかったので、裏方に徹しようと。動こうと思ったので(ソックスを)上げた方が動きやすいと思った。翼(会沢)も上げていたので久しぶりにね」と柔和な表情で話した。

メンバー28人中22人が参加した。指名練習ではなく各自がコンディションを判断して参加の判断を委ねられた。3試合に出場した菊池涼や、先発2日後の高橋礼は休養した。指揮官は「拘束せずに自主性でやった方が、これだけ3日間、タイトに緊張感ある中で試合をしてきて、ちょっとどこかでホッとする時間も必要かなと思った」と、あえて弛緩(しかん)させた。

不参加は休養目的だけではない。5日のベネズエラ戦に先発した山口が帰国した。「俊(山口)に関してはいろんな調整があるので、いったん日本に帰ってというところ」。登板2日前のブルペン入りがルーティン。11日のスーパーラウンド初戦での先発が有力な右腕は一足先に帰国しておけば、9日に慣れた環境でブルペン投球ができる。

イメージは少しずつ膨らんでいる。16日にスーパーラウンド最終戦で対戦するC組1位の韓国には「左の2人(金広鉉、梁■種)。やはり評判通りの素晴らしい投球だった。打ち崩さないと世界一はないと思う」。緊張の糸をほどきつつ、宿命のライバルへの闘志を点灯させた。【広重竜太郎】

◆スーパーラウンド 1次ラウンドの各組上位2チームが進出し、6チームで争う。1次ラウンド同組の対戦成績は持ち越され、日本は1勝0敗からスタート。別の組から進出した4チームと対戦し、計5試合分の成績で順位を決める。上位2チームが決勝へ、3、4位は3位決定戦に進む。

※■は王へんに右のつくりが玄