粘りの打撃で来季本塁打量産だ。日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が19日、チームメートの上原健太投手(25)とともに応援大使を務める由仁町を訪問した。農園で行った収穫体験では、人生初の長いも掘りを体験。昼食で採れたての長いもをとろろにして頬張るなど、活躍を誓う3年目の来季へパワーを注入した。

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長靴に作業用手袋とフル装備した清宮が、ハプニングにあぜんとした。応援大使で訪れた由仁町で、生まれて初めての長いも掘り体験。スコップを持った上原がかき分ける土の中から引き抜いた最後の1本が真ん中から折れた。思わず「あっ…」。上原から「おい!」と突っ込まれタジタジとなったが、5本を引き抜いた。

普段はなじみのない農業体験。約2キロある長いもを持ち「バットより重いですね」と口元を緩めた。移動後に訪れた昼食会場で早速すり下ろされ、とろろとして提供された。2度おかわりし「自分でとっただけあるなと思います」と自画自賛? 「すごい粘りがあっておいしかったです。3つくらい食べたので、もうこれで粘りはバッチリ」。来季の本塁打量産へ、しっかりと力を蓄えた。

小、中学生たちとの交流会では生徒から「早くケガを治して、頑張ってください」と激励された。「こどもたちからもパワーをいっぱいもらいましたし、本当に来てよかったです」。右肘関節形成術を受けてから1カ月近くが経過。今もノースロー調整中だが「来たのでせめて捕るだけでもと思って」と、キャッチボールにも参加し、子どもたちの投球を受けた。

目指すべきところも再確認した。子どもから、どんなこだわりを持っているのか、という質問に迷わず答えた。「本塁打を打つこと。それが取りえなので、そこはこだわりを持ってやっている」。昨季、今季ともに7本塁打を放ったが、満足はない。ファンに向け「これは俺にはできないなと言うプレーをみてほしい。それが僕は本塁打かなと思う。もちろんチームが勝つためというのはあるけど、そこは忘れずに」。

右肘のリハビリは慎重に進めている。「年内はどっちもしないです」とスローイング、打撃の再開は年明けとなる見込みだ。「焦りたくないので無理して復帰というよりかは、ゆっくり治して万全な状態で迎えたい」。初めて務めた応援大使でもらったパワーを力に、来季大爆発させる。【山崎純一】

○…上原が「ドローン対決」で先輩の意地を見せた。人生で初めて小型ドローンの操作体験を行った。由仁町の体育館内に設けられた特設コースで行われた清宮との勝負に2連勝。「思った以上に面白かったです。(2連敗の清宮に)相手にならない」とニヤリ。

◆北海道179市町村応援大使 日本ハムが道内の全市町村と交流を図り、町おこしに寄与する目的で13年に発足した。毎年18市町村に選手を派遣する10年間の壮大なプロジェクト。ファンフェスティバル内で抽選を行い、翌年の応援大使を務める選手が決まる。今年の応援大使は19、20日に、選手がそれぞれの市町村に訪問し交流を図る。