ソフトバンク王貞治球団会長(79)が「大砲獲り」を歓迎した。2日、福岡市内のホテルで開催された王会長を支援する地元企業有志による後援会「王讃会」の懇親パーティーに出席。

ヤクルト退団が濃厚でソフトバンクが獲得に動いているウラディミール・バレンティン外野手(35)について「長打が試合の流れを変えるよね。一振りで変えられる。ファンの人も喜ぶもんね」と、ヤクルト在籍9シーズンで8度、30本塁打をマークしたスラッガーの入団を熱望した。

王会長が64年に打ち立てた55本塁打のシーズン記録を、13年シーズンに49年ぶりに塗り替えたのがバレンティンだ。王会長は55号で並ばれた際に「たいしたものだ。ホームランの率からしてもすごいでしょ。記録とかは超越したところでやってるだろうね」と大絶賛していた。「因縁」の存在、バレ砲が時を経て、「世界の王」率いるチームでプレーするという不思議な巡り合わせとなりそうだ。球団は近日中に、バレンティンが希望しているヤクルト時代の背番号「4」も用意して交渉に臨む。

王会長はチーム内競争の活性化にも期待を寄せた。「うちは壁になる人が入ってきたり、上の人がいても、若い人がそこを乗り越えてレギュラーになってきた。かえって、チャレンジする意欲が駆り立てられるんじゃないかな」と新戦力に負けない若手の台頭にも目を輝かせた。パーティーでは支援者を前に「来年はシーズン優勝、日本一4連覇という課題に向かって戦っていきます」と誓った。黄金時代形成へ、進化の歩みは緩めない。【山本大地】