南関東の激戦区から2年後のプロ入りを目指す。石巻専大（宮城）の最速146キロ右腕・菅野一樹投手（4年＝聖和学園）が、社会人野球のオールフロンティア（本拠・埼玉県春日部市）入りすることが26日までに分かった。

南東北リーグ通算26勝の実績を引っ提げて、社会人野球の舞台に挑む。菅野は入学当初から大卒でのプロ入りを夢に描いていたが、今春リーグ戦後に同社の練習会に参加。熱心な勧誘もあって入社を決断し「自分の実力を考えて、より高いレベルでやりたいと思った。2年後のプロ入りを目指します」と明かした。

同大は専用球場がなく、近くの野球場などを借りて練習を行うが、平日練習は基本的に1回のみ。他の平日はブルペンでの投球練習や室内練習場での守備練習、陸上競技部のトラックを借りて走り込みを行ってきた。決して恵まれた環境ではないが、2年春には主戦として全日本大学野球選手権に導き、2回戦・岐阜経大（東海地区）戦では8回6安打1失点の好投で全国デビューを果たす。その後も不動のエースとして先発の座を守り続けてきた。菅野は「プロに行くつもりで、まずは150キロ以上を目指し、変化球の質も高めたい」と高みを目指す。

オールフロンティアは創部4年目と若く、今年は大卒の新人8人が入部。同じ埼玉県には、都市対抗や日本選手権で優勝経験を持つ日本通運やホンダなど強豪が存在し、積極的な採用でチーム強化に力を注いでいる。まずは「入社1年目から即戦力として投げたい」と、チームを2大タイトル初の全国舞台に導くため、奮闘していく。

◆菅野一樹（かんの・かずき）1997年（平9）10月5日生まれ、仙台市出身。郡山小3年から郡山チャレンジャーで野球を始め、郡山中では仙台東部シニアに所属し3年時に全国出場。聖和学園（宮城）から石巻専大へ。南東北リーグでは2度の優秀選手賞、3度の最多勝、2度のベストナインに輝いた。3年秋にノーヒットノーランを達成。右投げ右打ち。180センチ、82キロ。家族は両親と弟2人。