「昨日の敵は今日の友」になった。ロッテ酒居知史投手(26)の楽天移籍が決まった。今季5勝中3勝が楽天から。3月29日、開幕の対戦では、1球を投げただけで勝ちをつかんだ。開幕の1球勝利は、史上初のことだった。楽天で「1勝(一緒?)になる運命だった」のかもしれない。

6回2死一、三塁で登板すると、初球142キロ速球で嶋を投ゴロに仕留めた。その裏、レアードに3ランが飛び出して逆転。7回から3投手をリレーして逃げ切った。勝ち越した回の、直前に投げた酒居に勝ちがついた。「勝ち越しのサカイ?」である。

1球の勝利はプロ42人目(43度目)になる。偶然にも酒居をリリーフした松永が18年の西武戦で記録して以来。球団別でみると、ロッテでは7人目。他球団より多いが「チョコっと投げ(なめ?)たら、おいしい勝ち(味?)」。これは、やっぱりロッテです。

4月3日の西武戦では50球を投じたが、勝利はつかめなかった。今季は54試合に登板し、投球数は1006球を数えた。その1000分の1に満たない1球で勝利をつかんだ開幕戦。楽天に移っても「1勝(一生?)の思い出?」として残るはずだ。【米谷輝昭】