ヤクルトのドラフト1位星稜・奥川恭伸投手(18)がフォークのマスターに取り組んでいる。新人合同自主トレ2日目は、荒天で室内練習場で行われた。練習後、奥川は参考にする一例にオリックス山本を挙げ「山本投手の奪三振集は見ています。変化球のスピードが速い。ストレートとの差が少ないので(打者は)見極めが難しいと思います」とうなった。

高校時代に奥川が信頼していた変化球はスライダーとチェンジアップ。フォークは2年の秋から取り組んでいたが、試合の肝心なところで投げるまでの完成度はつかめなかった。最速158キロのストレートがあるだけに、120キロ台スライダー、110キロ台チェンジアップに加え、130キロ台フォークをマスターすれば、投球の幅は格段に広がる。

奥川の意識は高い。「球速差が大きいと見極められるので、新しいボールをつくって、ストレートとの差を小さくしたいです。高校の時は、フォークはまだしっくりこなかった」。抜群の制球力がベースにあるだけに、球速でも的を絞らせない着眼点も鋭い。「あとは打者に投げて感じをつかみたいですね」。素質に加え、野球頭脳も超高校級といえる。【井上真】