西武辻発彦監督が“働き方改革”を打ち出した。12日、都内で行われている新人合同自主トレを初めて視察。

9人の新人選手に対し、異例の訓示をした。

「アピールしたい気持ちがあると思うけど、無理せずおかしいと思ったらやめておくこと。ここで無理する必要はない。とにかくけがだけは絶対にしちゃダメ」。ケガを回避するために無理は禁物。張り切りすぎる選手らを制するように伝えた。

新人の深層心理を考慮した上での親心だった。キャッチボールをする姿に目を光らせ「しっかり投げていた」と安心すると同時にその内心を見極める。「監督がきたから(アピールしよう)ってギアが上がるからね。俺もそうだった」。必要以上に頑張りすぎてけがをしては、元も子もない。実際に去年はドラフト1位松本が開幕を出遅れ、同2位渡辺が右肘を負傷。「だから、もう俺は顔出すのやめよう」と、27日の打ち上げまで自粛する。

じっくり鍛え上げていけば、競争力は自然と高まっていく。宮川、浜屋、松岡の即戦力投手3人を挙げ「力ある投手だと思っている。外国人も来て競争が生まれれば。飛ばしすぎないように。そこだけ気をつけないと」。指揮官自らハンドリングしながら、ブレーキとアクセルを巧みに使い分ける。【栗田成芳】