日本ハムのドラフト1位、河野竜生投手(21=JFE西日本)がプロ初登板予定の15日紅白戦(国頭)で先発デビューが検討されていることが5日、分かった。

相手先発には昨季のドラフト1位吉田輝星投手(19)の名前が浮上。注目必至の「ドラ1対決」を制して、キャンプ中の1軍昇格を目指す。この日の休日は2軍キャンプ地の沖縄・国頭でシーサーの絵付け体験に挑戦。新人10選手の中で最高評価を得た。

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河野のデビュー戦は、大注目を浴びる舞台となりそうだ。例年通り、新人選手のデビュー戦となる国頭での紅白戦で、先発に抜てきされる可能性が高まった。もう1人の先発は、右肘違和感の影響で2軍スタートとなり、投げれば昨年10月以来の実戦復帰となる18年ドラフト1位の吉田輝が浮上。近未来の先発ローテを担うであろう、左右の「ドラ1」コンビの豪華な投げ合いとなりそうだ。

常にドラマチックな舞台を用意して、選手の能力を引き出してきたのが栗山監督だ。昨年の国頭での紅白戦は18年夏の甲子園決勝を投げ合った吉田輝と柿木を先発に指名。試合前から大きな話題を呼び、多くの注目を集めて試合の緊張感を高めさせた。河野と吉田輝の先発対決案に指揮官も「面白いね」と否定することなくニヤリ。脳裏には2人の対決を思い描いていることを示唆した。

吉田輝とともに2軍スタートを切っている河野も、第1クールは順調に調整を進めた。既に2度、ブルペン入りした河野は「バランス良く投げられている」と軽やかにプロでのステップを踏んでいる。6日からの第2クールでは打撃投手を務める予定も組まれている。「多少の緊張と力みが出るかもしれないけど、焦らずに今やっていることを出せれば」と15日へ向けた準備を加速させていく。

この日は2軍キャンプ地の沖縄・国頭にある宿舎内の手作り工房で、他の新人選手とともにシーサーの絵付け体験に挑戦。日本ハムのユニホームをデザインして「ファイターズ・シーサー」に仕立て、工房スタッフによる審査の結果、見事に優勝。負けず嫌いで「1位を取りたかった」と定評のある絵心と発想力で狙い通りに勝利。本業の野球でも「早く、名護に呼んでもらいたい」。白熱必至の吉田輝との先発対決を制して、こちらも狙い通りに名護行きの切符をつかみたい。【木下大輔】