昨年12月に学生野球資格回復研修を受けたイチロー氏(46=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が7日、資格回復を認められた。都内で開かれた日本学生野球協会による資格回復審査委員会で、同氏を含む94人が認定された。8日以降、各都道府県高野連や各大学連盟に指導者登録すれば、学生を指導できる。

アマ球界で活躍する元プロ指導者は資格回復制度をどう考えるのか。元中日選手で教員免許を取得し東海大菅生監督となった若林弘泰氏(53)に聞いた。

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若林氏は「高校野球の監督になるのであれば教壇に立つべき」と提言した。自身は資格回復制度導入前に指導者へ転身したため、2年間の教員経験が監督就任の条件だった。プロ野球引退後に大学に在学して教員免許を取得。社会科教諭として教壇に立った後、09年に東海大菅生の監督に就任が認められた。現在は3日間の研修を受けることで指導が認められるが「遠回りしたと思わない」。勝利だけではなく、高校生を人間的に成長させることも監督の役目。担任として生徒を見ることや、授業するにあたり自身の指導法を勉強することが野球指導にもつながる。

元プロの指導者が増えることには賛成だが、制度に違和感も抱く。「元プロだから教えられない。アマチュアだからすぐ監督になれるというのではなく、サッカー界のように単位制にすることは必要。ライセンスがあればプロでもアマでも指導ができる。本来プロの監督やコーチもそうしていくべきなのではないか」。プロアマ一体となった制度改革を期待した。「プロもアマチュアも体のことやトレーニング方法を学ばないと。他競技は専門に研究しながら指導する大学教授は多いけど、野球は少ない。指導者も勉強していかないといけない」。学ぶ必要性を訴えた。【湯本勝大】