令和の怪物だけじゃない!ロッテのドラフト5位・福田光輝内野手(22=法大)が8日、今季チーム初の対外試合・台湾楽天との練習試合で、12球団のルーキー1号となる特大本塁打を放った。

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心に秘めたギラギラを、一瞬だけ瞳に宿し、福田光は迷いなく振り抜いた。飛び跳ねて応援するマリーンズファンでも届かないほど、球場を囲む防球ネットの高い場所に、プロ1号は当たった。「けっこういい当たりでした。素直にうれしい」と照れた。

「恐怖の8番打者」になった。「風に乗りました」と言いながら、第1打席でももう少しで本塁打(結果は三塁打)。そして6回に、12球団の新人1号という最高の1発。高校通算19発、大学でも公式戦4発。「自分はホームランを打てるタイプじゃないので…」と頭をかくが、ロッテスカウト陣も高く評価した肝っ玉の強さは伊達ではない。

華々しい活躍でも、気は一切緩まない。「もうちょっといい結果になったかもしれない」と、プロの厳しさを実感した試合でもあった。打席では一瞬の判断の遅れで、力ないフライになった。守備では瞬時の迷いで、遊ゴロを内野安打にしてしまった。「本当にワンテンポなんです。ちょっとした判断の遅れで、結果が変わってしまう。その怖さを感じました」。大阪桐蔭-法大とエリートコースを歩み「センスがいい」と評価された選手でも、プロの壁にぶち当たる。

周囲の注目は、年下のドラフト1位・佐々木朗に集まる。それでも揺るがず、マイペースで振ってきた。「自分は自分なので、自分のやることをやるだけ」。短い言葉に3度「自分」を込めた。名門で猛練習を積んできた自信と体力で、プロの練習も堂々とこなしている。本当のアピールはここからだ。【金子真仁】