進化した梅バズーカの発動だ。阪神梅野隆太郎捕手(28)が11日の練習試合・日本ハム戦(名護)で20年初実戦に臨む。

2年連続ゴールデングラブ受賞の真打ちとして、チームの実戦3試合目で初めて先発マスクをかぶる予定。「(練習試合では)どんどん走ってくると思う。結果が出るイメージでやっていきたい」と鬼肩さく裂を予告した。

予行演習はばっちりだ。10日のスチール練習では、一塁走者6人のうち4人を刺した。走者江越の時に送球が浮く場面もあったが、上本、島田、熊谷といった俊足勢からベース手前で楽々タッチアウトを奪った。送球タイムを計った藤井バッテリーコーチは「速いね」と笑顔。巨人中里スコアラーは巨人小林、ソフトバンク甲斐と双璧の強肩と再確認し、「レベルが違う。捕ってから速いし、球質も強くて正確」とうなった。

「もっと盗塁阻止率を上げて1位でいけるように」。2年連続ゴールデングラブ賞受賞も、盗塁阻止率は2年連続巨人小林に次ぐ2位。そこで強肩の一層強化を期し、昨秋キャンプから一回り小さいミットを導入。送球までのスピードアップに取り組んでいる。さらに今キャンプでは送球動作の細部も改良中だ。「確実性を高めるには、(力を)ためる足の方に乗っておかないと。前に取りに行ったり慌てないことが一番」。捕球から送球までの「間」をしっかり作り、右足に体重を乗せた強い送球に磨きをかけている。

この日は個別メニューでも打撃マシンを使い、捕球から送球までの足の運びを何度も確認。進化した梅ちゃんバズーカ発動へ、準備は整った。【佐井陽介】

▽阪神藤井バッテリーコーチ(梅野の二塁送球に)「僕が1年間見て、こうやったら失敗しているな、というのはちょっと伝えてある。キャッチングは良くなっている。スローに関しては慌てずというか、下半身ですね。他の捕手より『間』があるんで、その『間』を大切に、と」

◆梅野の強肩 昨春の宜野座キャンプでのスチール練習二塁送球で、1・85秒を計測した。1軍キャンプ参加4捕手中最速の数字をマーク。一流捕手の目安は1・8秒と言われており「平均がそれぐらいになればベスト。自分のアピールポイントでもあるので」と意欲を表した。なおソフトバンクの強肩捕手甲斐は、最速1・71秒を誇る。