プロ野球南海(現ソフトバンク)で捕手兼任監督を務め、ヤクルト、阪神、楽天でも指揮を執った野村克也(のむら・かつや)さんが11日午前3時半、虚血性心不全のため死去した。84歳だった。

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ヤクルトの未来のエースも、ノムさんの金言を胸に羽ばたいていく。宮崎・西都で2軍調整中のドラフト1位の奥川恭伸投手(18=星稜)は「縁あってこの球団に入ったのでお会いしたかったです」と故人をしのんだ。憧れであるヤンキース田中が、楽天在籍時の監督でもあった。奥川は「話を聞くだけですごく勉強になるんじゃないかなと思う。いろいろ、田中選手とかも見てる監督だったので、話を聞いてみたかったです」と一点を見つめた。

入寮時には、同氏の著書「野村克也 野球論集成」を持参した。印象に残っている言葉は「人間の最大の悪は鈍感」。「野球っていうスポーツに限らず、いろいろ見て気づくとかそこの回転の速さ、状況判断できる人が野球が上手と言われる人だと思うので、本当にそうじゃないかなと思います」。1日も早く、立派になった姿を届ける。

ファーム本隊は午後の練習を中断し、黙とうをささげた。【栗田尚樹】