阪神の新外国人ジョン・エドワーズ投手(31=インディアンス)が「リベラカッター」で福留のバットをへし折った。ランチ特打に登板。福留に対する8球目だった。内角低めに魔球を投じ、バットを根本から真っ二つにした。「いい感じだ。自分の真っすぐはたまにカットしたりする。バットを折ったのは、そのボールと思う」。打者の手元にはグリップ部分だけが残った。衝撃の1球に場内はどよめいた。

「8回の男」として期待がかかる右腕は、メジャーの最強クローザーを手本にしている。「最終的なゴールは打者を打ち取ること。僕と似たようなピッチャーでマリアノ・リベラも同じような性質を持っている。彼もそれを生かして、いい結果を残した。リベラを見ながら、自分の中でやり方というのを模索していければなと思います」。ヤンキースでMLB最多652セーブを挙げた伝説右腕。エドワーズはその代名詞と言える「カッター」を研究している。

この日は、もう1つの武器である「ジャイロスライダー」でサンズから空振りも奪った。「弾丸のような形で回転していく、自信のある球です」。福留からは縦割れカーブでも空振りを奪い、変化球は多彩でハイレベルだ。37球を投げて安打性は0。ボール球は16球を数えたが、日本のストライクゾーンを確認するためコースを出し入れした結果だ。「メジャーでは自分みたいなパワーピッチャーは高めのボールでストライクを取ってもらうと、すごく有利な状況になる。ストライクゾーンの違いも見えた」。投球後にはサポート役のウィリアムス駐米スカウトとフォームの確認を行った。

矢野監督は「俺はジョンソンに近いと思っている。ベースに来ると、そんな簡単に打てそうな感じではなかった。早く実戦で見てみたい」と評価。特殊な変化球には、「パワーカーブ」で昨季活躍したジョンソンと姿を重ねた。新セットアッパー候補は「調子をしっかり整えて、どんな時でも対応できるように準備していきたい」と話す。実戦マウンドが今から待ち遠しい。【奥田隼人】

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巨人中里スコアラー(エドワーズに)「球も強く、スライダーがすごく有効になる。(昨季のジョンソンと)変わらず8回を任せられるようなピッチャー。(状態は)順調にきていると思う。他チームのバッターの反応を見ながら対応の仕方を考えないといけない」