ソフトバンク和田毅投手(39)が「大迫魂」で開幕ローテーション入りを狙う。4日のオープン戦ヤクルト戦先発に向けて2日、ペイペイドームで調整。前日に東京マラソンで日本新記録を更新した、同じ早大出身の大迫傑(28=ナイキ)から刺激を受け、自身も快投を誓った。

大迫の魂の走りはベテランの心にも響いた。和田は箱根駅伝ファンであり、毎年テレビで母校の応援を欠かさない。現在の早大駅伝チームを率い、大迫が在校していたときはコーチだった相楽監督とは大学時代の同期という縁もある。今回の東京マラソンは練習のためライブ観戦できなかったが、ニュースなどで後輩の活躍を知り「すごいの一言ですよね」と舌を巻いた。

特に、新型コロナウイルスの影響で、一般参加者の出場取りやめや観戦自粛の要請など、開催形式に変更があったり、中止の不安もあった中での快挙に感心した。「いろんな条件が変わった中でもしっかり結果を残して、日本新を出された。メンタルがすごいと思う。自分のやるべきことをやって、出せるものをしっかり出せたからだと思う。自分も出せるようにしていきたい」と自身に重ねながら話した。

野球界も同様に、これまでとは違った環境で開幕に向かっている。先発予定のヤクルト戦では無観客の中で投球することになる。和田は東日本大震災のあった11年3月13日に広島との無観客試合で登板しているが「前回は震災の2日後。全然状況は違う。でも他のスポーツも中止になったりしている中で、野球をやらせてもらっていることに感謝を感じてやりたい。ファンの方々が安心して戻ってこられるときに、いいプレーを見せられるように調整したい」と背筋を伸ばすように、言った。大迫のようにぶれない心で、開幕まで突っ走る。【山本大地】