開幕ローテ入りへ、また1歩前進した。西武に復帰した松坂大輔投手(39)が広島とのオープン戦で先発。3回を投げ4安打2失点でステップを踏んだ。「いい面と悪い面が両方出た。ストレートは悪くなかった。変化球は全体的に浮いていた」と収穫と課題を明確にした。

立ち上がりは上々だった。1番田中広からの上位打線を内野ゴロ3つの3者凡退で滑り出した。直球とスライダー、カットボールで手玉に取った。2回先頭の鈴木誠への初球カーブはわずかにゾーンを外れ、カウント3-1からの甘く入った135キロカットボールを軽々と左翼席に運ばれ「ほぼ真ん中にいってしまった。やっぱり、あれぐらいの打者になると見逃してくれない。さすがだなと」と認めるしかない1発を食らった。2死から会沢にも適時打を許し「本塁打の1点だけにしなければいけない」と反省した。

登板最終回の3回は決め球を欠き3四球。年齢を重ね、力でねじ伏せるスタイルは当てはまらない。「追い込むまでと、追い込んでからで同じようなコースに投げてしまえば、空振りは取りづらいし、いいところにいってもファウルにされてしまう。今の僕はそういうところをはっきりさせることが大事になってくると思う」と頭の中では方法論は確立している。

次回登板は本拠地に戻って15日ヤクルト戦が最有力となる。辻監督は「今日は緊張、力みがあったと思う。次は変わってくる。初回のような投球ができれば十分いける。期待しています」と開幕ローテ入りを期待した。松坂は「不安もありますけど、どうしようもない状態ではないと思います」と自然体で進む。古巣のファンが心待ちする「平成の怪物」が1歩ずつ本番のマウンドへと進む。【為田聡史】

<西武の先発投手陣>

開幕投手のニール、高橋光がカード初戦を担う。同2戦目以降はそれぞれ松本、今井が有力。残り2枠には松坂、本田、十亀、榎田、中継ぎ陣との兼ね合いでドラフト2位浜屋、与座も候補に挙がる。シーズン開幕後は右太もも張りで出遅れているドラフト1位宮川、左肩の張りで出遅れた新外国人ノリン、手術明けの内海らも加わってくる。