開幕戦がいつになろうが俺に任せてください! 広島大瀬良大地投手(28)が12日、マツダスタジアムで行われた投手練習に参加。先発予定の13日ソフトバンクとのオープン戦(ペイペイドーム)に向け調整した。

新型コロナウイルスの影響、この日都内で行われた12球団代表者会議で開幕が早くても4月10日以降になることで合意。調整の仕切り直しが必要とされる中、あらためて「開幕投手」への強いこだわりを明かした。

大瀬良の覚悟に一切のブレはなかった。開幕投手を告げられてから、3月20日、金曜日の先発に向けて調整を進めてきた。開幕延期に伴い、場合によっては火曜日に開幕戦がシフトする可能性もある。佐々岡監督は「開幕が金曜になれば、当然大地に任せる。曜日が変わるなら考える必要もある。調整や対外試合の日程も関係するので」と話しており、流動的な面はあるが、右腕は「数日ずれるのは調整的にも大変な部分は出てくると思う。そうなったらそうなったで…、やります。どんな日程でも僕が行くつもりでいます」と言い切った。

オフから開幕戦をピークの状態で迎えるように、コンディションを整えてきた。春季キャンプ初実戦は2月23日の阪神戦で、そこから中6日でオープン戦3試合に登板。本来であれば開幕まで残り1試合だった。「もうすぐ開幕だったので、気持ちも体もガッと上がっていくところだった。日程が決まるまで、今準備できることを100%でやっていくしかない」。

大瀬良は延期を前向きに捉え、フォークの改良に着手した。これまで指を縫い目にかけて投げていたものを、縫い目にかけずにキャッチボールやブルペンで試投。好感触をつかんだ。「去年も試して全然落ちなかったんですけど、真っすぐと同じような感覚で投げたら今年は落ちだした。打者の反応はどんな感じか見てみたい」と心を躍らせた。

開幕戦が通常通り開催されれば、新たな感覚に気づくことができなかったかもしれない。「チャレンジできるという意味では(開幕が)延びたからできること。とにかくポジティブに、良い期間にしていくしかない。いろいろと良いものがどんどん出せるようにしたい」。ピンチをチャンスに変え、新たな「開幕戦」まで刀を研ぎ澄ましていく。【古財稜明】