ソフトバンク城島健司球団会長付特別アドバイザー(43)がグラウンド内だけでなくチーム編成面を含めた「GM(ゼネラルマネジャー)的助言」でチーム強化を図ることが17日、分かった。

2月下旬には球団編成担当とともに渡米していたことが判明。メジャーのキャンプを視察した。中止となったが高校野球のセンバツも視察する計画だった。編成部門を含めた多角的な助言で常勝軍団作りをサポートする。

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城島アドバイザーの役割はグラウンド内にとどまらなかった。春季キャンプ視察後に、多忙なスケジュールを調整。2月下旬には球団の編成担当者とともに機上の人となっていた。はるか太平洋を越え、メジャーのキャンプ地でもある米フロリダに足を運んでいた。日程の関係もあり、視察は数球団にとどまったものの、駐米スカウトらとともに自らも所属したメジャーリーグの選手たちの動き、キャンプ施設などに目を凝らした。

残念ながら新型コロナウイルスの影響で開催が中止となったセンバツの視察も計画。スカウト陣とともに将来性のある球児の動きをチェックする予定だった。永井球団編成部長は「(城島アドバイザーには)今後も編成面でも動いてもらいます」と話した。GM的な視点から助言を送ることが判明した。

ホークスナインと初顔合わせとなった宮崎キャンプ初日の円陣で城島アドバイザーは「専門分野は魚釣りとマージャンです」と笑いを誘った。2月9日まで滞在したキャンプではジャージー姿にサングラスで遠めから練習を見守り柳田や今宮、若手選手に「兄貴分的」なアドバイスや経験談を話してきた。「(技術指導は)コーチの方々もいるので」と、直接指導は控え、グラウンドでは「黒子」に徹したが、キャンプを離れると動きは俊敏だった。

球界ではプレーヤー出身のGMが誕生している。西武では監督を務めた渡辺久信氏が球団初のGMに就任。楽天もメジャー経験のある石井一久氏が一昨年に就任。オリックスは前監督の福良淳一氏が昨年途中に、ヤクルトも小川淳司氏が今年からGMとなった。15年ぶりに古巣ホークスに復帰した城島アドバイザーも編成面を統括する「フロント」の仕事に大きな興味を抱いており、今後もグラウンド内外でチーム強化の助言を送り続けていくようだ。「フロント城島」の動きが見逃せなくなってきた。

◆GM(ゼネラルマネジャー) 監督、コーチ、選手らの人事権を持つ、選手獲得やトレードなどチームづくりの最高責任者。日本球界では、95年にロッテが広岡達朗氏を初めて起用。中村勝広氏はオリックスと阪神、高田繁氏は日本ハムとDeNAの2球団で就任した。プロ野球経験者を起用する例が多く、過去には三村敏之氏(楽天)山田正雄氏(日本ハム)落合博満氏(中日)鹿取義隆氏(巨人)らが就任。球界OB以外では清武英利氏、原沢敦氏、堤辰佳氏(いずれも巨人)吉村浩氏(日本ハム)らがいる。

<現役引退後の城島氏>

◆釣り 趣味の釣りに没頭。引退翌年の13年からは九州ローカルで釣りのレギュラー番組に出演。現在も放送が続いている。また地元長崎のゴルフ番組にも出演していた。

◆引退試合 13年9月にダイエー、ソフトバンク時代バッテリーを組んでいた斉藤和巳氏の引退セレモニーに登場し、投球を受けた。また18年12月には、現役引退した杉内俊哉氏らが参加する熊本での野球教室にサプライズで登場。「魚釣り日和だったけど、仕方ない。最後の球を受けられて良かった」と引退セレモニーで投球を受けた。

◆OB戦 18年2月に宮崎で行われた「ジャイアンツ対ホークスOB戦」に出場。ソフトバンク工藤監督とダイエー時代以来となるバッテリーを組んだ。

◆球児のパパ 長男の優太さんが近大福岡でプレー。3年だった19年は夏の福岡大会を初戦から敗退した4回戦まで全3試合で球場を訪れ、観戦。「幼いころから野球をしてきて、高校野球までやって親孝行ですよ」と喜んでいた。