4番英才教育や! 阪神ドラフト2位の井上広大外野手(18=履正社)が、1軍メンバーも参加した2軍練習試合のオリックス戦(オセアンBS)に「4番右翼」で抜てきされた。昨年開幕4番の大山らが先発する中での起用で、平田2軍監督は今後も継続していくと明言した。井上は4打数1安打でチームは0-0で引き分けた。

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球場内に「4番ライト井上」のアナウンスが響き渡った。大山や木浪、高山、陽川ら1軍の主力メンバーが打席数を確保するため参加した2軍戦。それでも井上の4番は揺るがなかった。0-0の9回2死二塁ではチャンスを広げる左前打。「チャンスで凡退することが多いのでしっかり結果を出せたのは良かった」。4打数1安打。打点こそなかったが存在感を漂わせた。

6日に教育リーグの中日戦で4番デビューし、13日はプロアマ交流戦の関西国際大戦で4番初アーチを放った。4番では実戦5試合で19打数4安打6打点、1本塁打と勝負強さを見せている。平田2軍監督は「1軍から(選手が)来ている中でも4番を打たせている」と念を押した上で「チャンスでどういうバッティングをするか。チームにどう貢献できるかをちょっとずつ経験させようと思う」と明言。今後も「4番英才教育」は継続される。この日も9回は先頭の高山が四球の後、木浪が犠打で得点圏へ進め、大山そして井上の一打に託したシーンが見られた。井上は「皆さんがいる中で出してもらっている。期待に応えないといけない」とどっしりした心構えを口にした。

甲子園の全体練習から視察に訪れた矢野監督もうなずいた。「外野から帰ってくる姿とか、ランニングの仕方とか。そういうのはいいなと思って見ていた」。1度は「お試し」で呼んだ井上の開幕までの1軍再合流について「なくはない」と話した指揮官に対して、また1つ大きなアピールに成功。「(プロに)慣れてきているけど自分が思っているのと感覚が合ってないこともある。いかに早い打席から結果が出せるかが自分のポイント」。未来の大砲は着々と成長を遂げている。【只松憲】