BC新潟は、新潟医療福祉大(関甲新学生野球リーグ1部)と練習試合を行い0-2と敗戦。しかし、先発・海老塚耕作投手(23)が、5回を被安打3の無失点に抑える好投を見せ、シーズンに向け手応えをつかんだ。

昨季は抑えの切り札として活躍も、今季は先発に転向。気合の投球で三振も5個奪った。

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自然と右腕に力が入った。うなり声をあげながら海老塚は奥田昇大捕手(22)が構えるミットにボールを投げ込んだ。「打者が立っていると力んでしまう。悪いクセ」と話したが、気迫がこもった投球。最速は141キロだったが馬力で押した。5回を投げて3安打無失点。「特に意識していない」という三振も5個奪った。清水章夫監督(44)からは試合の前日、当日ともに、こんな言葉で闘志を注入されていた。「学生相手に打たれていたら、NPBには行かれないよ」。

海老塚はルーキーシーズンの昨季は抑えの切り札として活躍した。33試合、34回2/3を投げてBCリーグ・ランキング3位の11セーブをマーク。防御率1・04で1勝1敗の好成績を残した。しかし、シーズン終了後に先発への転向を清水監督に直談判した。だからこそ、先発好投への思いは人一倍強い。

「先発は得るものが多い。長いイニングを投げるから打者のクセや、スイングでどのコースを狙っているかを観察できる」と言う。この日は無四球で制球力は抜群。「四球を恐れることなく打者と勝負できた」と、精神的優位に立ちながら投げることができた。それでも、まだ先発には不慣れ。ペース配分を度外視した影響で後半は少しバテたが、それは開幕までの課題だ。9回を投げ切るスタミナは、今後のトレーニングで徐々に身につけていく。

今季の目標は「自分の中で掲げている」という15勝。さらに海老塚は最大の目標も口にした。「目標は高く、NPBのドラフトで上位指名を目指します」。シーズンの目標を達成した先にあるNPB入りに向け、海老塚は先発で結果を残していく。【涌井幹雄】

◆海老塚耕作(えびづか・こうさく)1997年(平9)1月9日生まれ、神奈川県出身。横浜創学館-函館大学を経て19年新潟入団。50メートル走6秒5、遠投100メートル。憧れの選手は前田健太(ツインズ)。183センチ、95キロ。右投げ右打ち。背番号12。