日本ハム栗山英樹監督(58)が、あらためて「恩人」に感謝した。

ヤクルトでの現役時代の監督だった関根潤三氏が9日に老衰のため93歳で死去。10日、生活拠点を置く北海道・栗山町の「栗の樹ファーム」(一般には閉鎖中)でオンライン取材に応じ、思い出を振り返った。思い出すのは、鼻骨骨折を負いながら翌日の試合出場を志願した時のことだ。関根氏から「お前は鼻が曲がっちゃうと結婚できないから、いいから治せ!」と言われたことが印象に残っているという。「だけど、いまだに独りです(笑い)」と天国に向かって、申し訳なさそうに報告した。

関根氏は投手としても打者としても活躍し、両部門でオールスターのファン投票に初選出された「元祖・二刀流」。栗山監督は大谷(現エンゼルス)の二刀流挑戦について「相談は、関根さんにはしていない」としながらも「実は関根さんと長嶋(茂雄)さんはすごく近かったのね。長嶋さんには相談に行ったよ。そういうことだよ」と、関根氏の耳に入るようにしていたというエピソードも明かした。

「人を育てるための魂をぶつけてもらった感じが、自分の中ですごくある。本当に恩人だった。監督が終わった時に、俺と野球やって良かったと言ってもらえるようにしないといけない」と誓った。【田中彩友美】