BC新潟アルビレックスは6日、長岡市内で紅白戦を行った。オレンジユニホーム組が、黒ユニホーム組に10-4(8回変則ゲーム)で勝ったが、オレンジ組で先発した田村颯瀬投手(18=東京学館新潟)が好投。4回を投げて被安打4、4奪三振で無失点に抑え、先発ローテーション入りをアピールした。公式戦は20日、信濃戦(エコスタ、午後1時開始)で開幕する。

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ピンチになればなるほど、マウンドの田村は強気になった。0-0で迎えた3回裏だ。被安打2に1四球を与えて2死満塁の危機。ところが弱気な心が芽生えるどころか、逆に心は弾んでいた。「楽しくなってきた。危ない状況を抑えられたら、とワクワクしながら投げた」。アグレッシブな姿勢を貫き、菊池悠人外野手(24)を遊直に打ち取りピンチを脱した。

実は当初、2番手での登板予定だった。ところが急きょ、先発の指名を受けて田村の闘志は充満した。「予定が変わって、ここは見せどころだと思った。好投すれば先発で使ってもらえるかもしれない」。熱望する先発ローテーション入りへ、アピールするチャンスに燃えた。

変化球はフォークを多投し、カウントを整えた。前日5日の紅白戦は3番手で投げ、1回を1四球の無失点。新潟入り初の実戦経験だったが、無難に切り抜け、この日の4回無失点投球につなげた。「セットポジションからの方が球をストライクゾーンに集められた」と、ピンチに制球もさえた。

清水章夫監督(44)は「高卒とは思えないマウンド姿。真っすぐは切れを感じた。メチャメチャ良かった」と話した。課題のスタミナは全体練習が約1カ月中断していた時期に走り込みとウエートトレで養った。「今回はチャンスを生かせた。このまま先発に食い込みたい」。そんな思いに近づく好投だった。【涌井幹雄】

◆田村颯瀬(たむら・はやせ)2002年(平14)3月8日生まれ、新潟市出身。東京学館新潟出身。野球は東曽野木小3年から曽野木サンダーシップスで開始。曽野木中では軟式野球。高校では1年夏からベンチ入り。左投げ左打ち。175センチ、84キロ。背番号17。