日本ハム清宮幸太郎内野手(21)の奮起の1発も勝利には結びつかなかった。

6回、ロッテ石崎の3球目をうまくさばいて右越えの3号ソロ。7月の本塁打は中田、ビヤヌエバらを差し置いてチームトップの3本目となった。この日は2安打2四球と全打席で出塁するなど結果を残した。結局1点及ばず開幕カード以来の連勝を逃し、再び単独最下位となったが、諦めずに追い上げを図っていく。

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精いっぱい、嫌な流れを振り払った。2点を追う6回の先頭。清宮が、高々と放物線を描いた。カウント1-1からの3球目。内角への直球系143キロをさばき、右翼席に放り込んだ。3号ソロ。「先頭だったので(塁に)出ることを最優先にって感じでした」。直前には守備の乱れで失点していた。チーム、ファンの気持ちをつなぐ一撃で1点差に迫ったが、追い上げはここまでだった。

夏本番に向けて、調子を上げてきた。今季1号を含め、7月は計3本塁打をマーク。本塁打数チームトップの中田やビヤヌエバを差し置き、最多に立った。この日は11日オリックス戦での代打本塁打以来、3試合ぶりの1発。「まだまだ、だと思います。全然いいと言える、技術もまだ備えていないですし、まだまだだと思います」と勝利にはつながらなかった分、現状には満足していない。

2試合ぶりのスタメン。必死のチャンスメークに徹した。2打数2安打2四球で、全4打席出塁。「勝つためにっていうところで全部出られたのは良かった。今日とかも指名打者でしたし、そういうところでしか貢献できないので。しっかり塁に出ることを念頭にやりたいと思います」と役目を全うしていく。

栗山監督は「求めていることは高い」と、さらにハッパをかけた。「いろいろ取り組んでいることが、ああいう形になることがすごく大事。まだまだ彼の持っているものは、こんなものじゃない」。厳しいチーム状況に置かれても、反攻の芽を強く伸ばしていく。【田中彩友美】