阪神青柳晃洋投手(26)が驚異の“ゴロ投手”ぶりを発揮し、7回4安打1失点でハーラートップタイの3勝目を挙げた。「ほとんどゴロだったので、非常に良かったかなと思いますね」。初回先頭の大島から3連続内野ゴロを奪うなど凡打の山。失点はビシエドに浴びたソロ1点に抑えた。

試合後は糸原とお立ち台へ。「僕自身でアウト取ったのって少ないんで、内野の方々がしっかりアウト取ってくれたのが良かったかなと思います。鉄壁のセカンドがいるんで」と感謝。二塁を守った糸原は「ゴロピッチャーなんで、もう常に準備して、足を引っ張らないように…いや本当に頼もしいんですごいと思います!」と笑顔で応えた。

この日、21個のアウトのうち、17個をゴロアウトで奪った(1併殺含む)。今季4試合のゴロアウト率52・8%は、規定投球回を投げた12球団の投手の中で1位を誇る。打者のタイミングを狂わせる「クオータースロー」は、大学時代の友人が名付けてくれたもの。横手投げと下手投げの中間から投げるスタイルは、球界でも唯一無二の存在。調整方法も青柳ならではだ。

キャッチボールは最初、上投げで始めて距離を伸ばす。その後、距離を縮めるとともに上投げから横投げ、下投げへと徐々に腕を下げていく。「横から80メートル投げられても、その投げ方と(マウンドまでの)18・44の投げ方と絶対違うので。そうすると自然と体も上がっちゃって、手だけで投げたりしてしまう」。上から投げた方が肩が動くため、まずはしっかり肩を作るためでもある。小学6年生の時に今の投げ方を始めたが、周囲にお手本に出来るような似た選手はいなかった。自らの経験で作り上げ、中学生の時から続けている独自の練習方法だ。

6月30日に今季初黒星を喫した中日にリベンジし、4試合で3勝1敗。防御率もセ・リーグの先発陣で2位の1・50と抜群の安定感。「助けてもらいながら、アウトを積み重ねていきたい」。次も内野手陣と一緒に、ゴロアウトの山を築いて勝利をつかむ。【磯綾乃】

阪神矢野監督(青柳について)「自信を持って本人は投げられていると思うし、バッターも分かっていてもなかなか打球を上げられないっていうのが、今の青柳の強みだと思う」