仲間がつないだ思いをバットに乗せた。1点を追う9回1死二、三塁。オリックス大城滉二内野手が試合を決めた。開幕から9試合連続無失点だった楽天守護神の森原から逆転適時打。一塁側ベンチはお祭り騒ぎだった。

「どうにかランナーを返そうと。スクイズもあるかなと思って(打席に)行きましたけど、サインは出なかったので、思い切っていきました」

カウント2-1からの4球目、真ん中低め149キロ直球をセンターへはじき返した。「良い当たりではなかったけど、野手が前進していたので…」とお立ち台では照れ笑い。今季初めての3番起用に結果で応えた。

どん底を味わった男が、状態をあげてきた。開幕から21打席連続無安打…。6月は10試合で打率3分6厘だった。「下半身が使えてなかった。だから打球に力が伝わっていなかったのかな」と自己分析。7月は19試合で打率3割4厘と、本来の姿を取り戻してきた。

最大6点差を逆転し、今季最多11得点で首位楽天に2連勝。大城は「デカイと思います。これで乗っていける。良い雰囲気で試合ができているので、こういう試合ができる。まだ借金が(5)あるので、どんどん勝って上を目指したい」。大城の復調が、チームを支えている。【真柴健】