オリックスが首位楽天相手に延長10回引き分けに持ち込んだ。劣勢をはね返したのは、3試合ぶりに4番に復帰したアダム・ジョーンズ外野手だった。

「チーム全体がなんとかしようという雰囲気があったし、そういった中、自分に回ってきたところで打ててよかったよ」

8回1死満塁。楽天2番手ブセニッツの2球目150キロ直球を左前にはじき返した。二塁走者の佐野も生還し、同点。メジャー通算282本塁打のスラッガーが存在感を示した。「今まで1番から9番まで打ったことがある。監督の決めた打順でゲームに入る。(打順は)個人のプライドの問題ではない。勝ち負けの問題です」。試合後は清々しい気持ちで言葉を並べた。西村監督も「状態はかなり上がっている」と評価した。

初回にはハーフスイングを取られ、三振の判定に戸惑った。「言葉が伝わらないので(球審に)自分の言いたいことが伝えることができなかった」。異国の地では初体験のことばかり。それでも冷静にゲームに臨む。「どんな場面でもいいボールがきたら、しっかり捉えること」。普段あまり感情を表に出さないジェントルマンは、シンプルな狙いで打席に立ち続ける。【真柴健】