巨人の「トイ・ストーリー打線」が、8回を劇場化させた。3点を勝ち越し、なお2死三塁。代打にはミスター・ポテトヘッドことゼラス・ウィーラー内野手(33)がコールされた。初球を左翼へ2号2ラン。目、鼻などのパーツを取り外し可能な本家と同様。先発、途中出場でも結果を出せる。「溶け込んで自分の仕事ができてる」と“無限のかなたへ”放物線を描いた。

「無限のかなたへ」といえば、巨人のバズ・ライトイヤー岡本和真内野手(24)も暴れた。1-1の8回無死満塁。「(チャンスでは)強く意識持って臨んでいます」と左翼線へ2点適時二塁打。エイリアンが「か~み~さ~ま~」といわんばかり。体重100キロのドッシリした「バズ・岡本様」のレーザー光線ばりの打球で、開幕から13試合連続無失点の“ザーグ”いや、中日福を粉砕した。

「あんたは俺の相棒だぜ!」。そんな風に岡本を見つめ、坂本勇人内野手(31)は二塁から生還。映画の主役がウッディならば、チームの「顔」坂本も黙っていなかった。愛馬ブルズアイにまたがっていなくとも、2年連続打率3割超えの男には技術がある。無死一塁から外寄りのカットボールを左翼線二塁打とし、チャンスを広げた。

おもちゃの世界のごとく、面白いように打線が機能。原監督も「打順がというか、中軸が機能してくれましたね」と称賛した。これで3カード連続の勝ち越し。前日に連勝は7でストップしたが「トイ・ストーリー打線」が「俺~がついてるぜ~」と巨人ファンを笑顔にした。【栗田尚樹】

◆トイ・ストーリー ディズニー配給の米人気アニメ映画シリーズ。第1作は95年11月に全米で公開され、大ヒット(日本では96年3月公開)。おもちゃの世界のウッディ、バズ・ライトイヤーらが人間の世界を冒険する物語。最新の4部作目は19年7月に日本で公開され、興行収入100億円を突破。全シリーズ世界的ヒットで、子どもから大人まで愛される。