ソフトバンク中村晃外野手(30)が“4番の風格”を見せつけた。

4-4の同点で迎えた6回2死満塁。「満塁だったのでヒットだけじゃなくて四球もあるので。最高の結果が出てよかった」。平井に3球で追い込まれたがフルカウントまで持ち込み、6球目の148キロ直球をうまく流し打った。走者を一掃する決勝の左翼線二塁打。二塁ベース上で両手を突き上げた。

打順が何番だろうが、意識は変わらない。「つなぐ」「チャンスメーク」。2回の1打席目。先頭で中前打。反撃の口火を切った。3点差となった3回には1死一、三塁から右前適時打。5回にも1死二塁から中前打を放った。5打数4安打、5打点。4安打が18年8月1日の西武戦(メットライフドーム)以来2年ぶりなら、5打点はプロ初。試合前の打撃練習からゲーム状況を想定してバットを振り込むことも奏功した。

「こんなに活躍するのはなかなかない。初戦だったので何とか取りたいと思っていた。明日にもつながるように頑張りたい」。ヒーローはお立ち台でも淡々と話した。開幕から打線のつながりに腐心してきた首脳陣にとって「4番中村晃」が最高のヒットかもしれない。【佐竹英治】